これって変?

ここでは東槙が「これって変?」と感じたことを幾つか上げたいと思います。

2回塗り

私はお客様(A様)邸の外装工事をしました。工事が終了し1週間程後にA様にお会いし、近所に住むB様との会話を教えてくれました。B様はちょっと前にご自宅の塗り替えをしたばかりだそうです。

B様「Aさんのところのペンキ屋さんは5回も6回も塗るんですね。」

A様「いえ、ウチは下塗り、中塗り、上塗りの全部で3回の工程ですよ。

B様「・・・・・・・・」

B様は自宅の塗り替えの際、外壁を上から塗ってきて一度目の色を塗った時点で職人さんに「あともう1回ですね」と、声をかけたところ、

職人さん「いえ、これで終わりです」

B様「2回塗りのはずですよね?」

職人さん「はい、もう2回塗りました。(ローラーを)右に1回、左に1回、ほら2回塗りでしょ。」

常識的には考えられない事ですがB様は納得したそうです。

ここでB様の工事に対する知識はともかくとして、提供する側の立場を考えます。B様邸の工事をした職人は、結果としてやってはいけない事をして現場を納めました。しかし、単に儲かればよいと言う以外に、こうした事をやった理由が他にありそうに思えて仕方ありません。私も同じ塗装職人として恥ずかしい気持ちはありますが、恐ろしく安い単価で請負わされたのか?と疑ってしまいますし、たぶんそうであろうとも思います。この職人も、もしかしたら不本意だけれども致し方なくそうしたようにも思います。もちろん私は、この職人の肩は持ちません。理由はどうであれモラルに反しますから。B様邸の元請業者は、有名リフォーム店でした。

自社施工

自社施工をうたう大手のリフォーム店に自社職人は本当にいるのだろうか?

少なくとも私は聞いた事が無い。会社の規模が大きくなる程この傾向は強く表れる。

私の見解

自社施工=完全自社施工=自社職人=その会社で職人さんの給与の源泉税・住民税等が徴収され、適切に納税がなされている事。

ある現場で、元請業者の名前が入ったマグネットを下請会社の車に張るのを見た事があります。

自社ブランド塗料

“自社ブランド塗料を使用します。”をうたう大手のリフォーム店がある。

ある大手メーカーから聞いた話では、はっきりと“(リフォーム店から)依頼を受けて作っている。方法は缶に指定されたラベルを貼るか、オリジナルの缶に塗料を入れて出荷している。”との事。

考えてみれば当然である。専門外の会社が、専門(化学の分野での上場企業)の企業と同じかそれ以上のクオリティーの塗料を作れる訳はない。実際には大手メーカーの主力品をそのまま使っているのだ。

その他として、下塗り材(微弾性フィーラーなど)にガラス繊維を混入させて、“我社自慢のグラスファイバーフィーラー!ひび割れに強い”などとしているところもある。

これははっきり言って絶対にしてはならないことである。建築的に見てこの行為はゴミの混入と同じで塗料の品質を著しく低下させる。それにこの行為が良ければ、すでに塗料メーカーはその商品を作っているはずだ。